歯とお茶の関係

こんにちは。
岐阜柳津デンタルクリニック、歯科衛生士の飯田です。
6月10日は「無糖茶飲料の日」でした。
日付は、「む(6)とう(10)」という語呂合わせに由来しており、健康志向が高まる中で無糖茶飲料の魅力を広く伝えることを目的に、株式会社伊藤園が制定しました。
今回は、お茶と歯の健康との関係についてお話しします。
歯とお茶の関係
食生活はむし歯や歯周病のリスクに大きく関わるため、食品選びが大切です。
その中でもお茶は、フッ素(フッ化物)やカテキンなどを含むものもあり、むし歯や歯周病予防などの優れた機能性から予防歯科に効果的です。
お茶といっても緑茶・烏龍茶・紅茶など種類は多岐にわたり、お茶の種類を上手に選ぶことでむし歯や歯周病をはじめお口の環境悪化を抑制できます。
フッ素とカテキンの働き
むし歯や歯周病予防に特に役立つフッ素とカテキンの働きをご紹介します。
フッ素
フッ素はむし歯予防に効果的です。
歯の成分が酸によって溶かされてしまった場合、フッ素が歯のエナメル質の修復を促進し、むし歯の進行を防ぎます。
また、歯のエナメル質を酸に溶けにくい性質に変えて歯の表面を強化する働きがあるので、むし歯のリスクを抑制する効果もあります。
カテキン
カテキンには抗酸化作用や抗炎症作用があり、歯石に潜んでいるむし歯菌の増殖を抑制したり、歯周組織の炎症を軽減したりすることで、お口の中のバランスを整える効果があります。
また、酸産生(細菌が糖から酸をつくること)を抑制するので、歯の脱灰が減少することから、むし歯の発生を防ぐ効果もあります。
予防歯科に効果のあるお茶
予防歯科に効果のある3つのお茶をご紹介します。
緑茶
緑茶にはフッ素やカテキンが含まれており、お口の中の細菌の増殖を抑制したり、エナメル質を強化したりと、むし歯予防に効果的なお茶です。
また、緑茶に含まれるフラボノイドはむし歯菌の繁殖を防ぐことだけでなく、口臭対策にも有効です。
烏龍茶
烏龍茶もお口の健康を保つのに役立つお茶のひとつです。
烏龍茶に含まれるポリフェノールは、むし歯菌が生成する歯垢のもとになる酵素の働きを阻害する作用があり、歯垢を歯に付着しにくくします。
紅茶
紅茶には、むし歯予防に欠かせないフッ素が豊富に含まれています。
お茶のフッ素濃度は、ほうじ茶が約1.02ppm・煎茶が約0.80ppm・烏龍茶が約0.48ppmに対して紅茶は約1.82ppmと、お茶の中で多く含まれています。
また、紅茶も緑茶と同じくむし歯菌の繁殖を防ぐフラボノイドが含まれています。
歯の着色に注意
お茶に含まれるタンニンや色素は、歯の着色の原因となり、タンニンが歯の表面に付くことで着色します。
着色対策は、お茶を飲んだ後すぐにお口を水ですすいだり、歯みがきをしたりすることです。
すでに着色してしまい気になるという場合は、歯科医院で歯のクリーニングやホワイトニングを受けることをおすすめします。
まとめ
お茶に含まれるフッ素やカテキンには、むし歯や歯周病を予防する効果があります。
お茶の種類によって成分や働きが異なるため、それぞれの特性を活かして選ぶことで、お口の健康を保ちやすくなります。
また、「食品の選び方」も予防歯科の一環とされています。
日々の食生活に、歯の健康に役立つ食品を上手に取り入れて、健やかなお口の環境を維持していきましょう。